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東京 港区

儚月庵

2022/4-2024/3

​取壊しが決定したマンションの一室の改修記録。

​揺れ重なり差し込む光が無数の黒と色の鮮やかさを演出する。

ほとんどの光を吸収してしまう黒の反射面は、素材によって異なる表情を見せ、どの色よりも豊かな表情を持つ。

宇宙、洞窟、子宮…

僅かな光の中で存在する空間は、あらゆる起源を想起させ古来から人間にとって馴染みのある空間として懐かしさと心地良さをもつ。
暗闇にも通ずる黒は最も自然な状態に近い色であってあらゆる起源はここにあたる。

住まうという行為に焦点を当てた時、病院や美術館のような青白い光に日々包まれることは本質的な心地よさだろうか。

​黒はまだ見ぬ大きな可能性を秘めている。

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